次世代LNG運搬船「MARVEL CRANE」の命名式を実施
三井物産が参画する米国キャメロン・プロジェクト向け2隻の一番船

2019年02月22日

三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:大倉 浩治、本社:横浜市西区)は21日、三井物産株式会社(社長:安永 竜夫氏、本社:東京都千代田区)向けに 建造中である次世代LNG(液化天然ガス)運搬船の命名式を行いました。 本船は、当社MI LNGカンパニーが受注したLNG船であり、船体構造の効率化やハイブリッド推進システムの採用などにより、LNG積載量や燃費性能を大幅に向上させた 船型を採用した最新鋭のLNG船で、「MARVEL CRANE」と命名されました。
本年3月に予定する完成後は、三井物産が参画する米国キャメロン(Cameron)LNGプロジェクトのLNG輸送などに従事することになります。

三菱重工業の長崎造船所香焼工場で行われた式典には、船主の代表をはじめ関係者が多数出席。
中部電力株式会社の勝野 哲代表取締役社長による命名、ご令室による支綱切断が行われました。

本船は、三菱造船が三井物産向けに建造する同型LNG船2隻のうち一番船となるもので、長さ293.0m、幅48.94m、深さ27.5m、喫水11.4m、載荷重量トン数約7万9,000トン、 タンク総容積約17万7,000m3。建造は三菱重工グループの三菱重工海洋鉄構株式会社(社長:椎葉 邦男、本社:長崎市)が担当し、昨年8月3日に進水しました。 三井物産は、キャメロンLNGプロジェクト向けのLNG船の船名として、渡り鳥に"MARVEL"を冠したものを採用しており、本船の"CRANE"は鶴のことです。

この船型は、信頼性の高いMOSS方式(注)の球形タンクを改良して上半球部分を膨らませたリンゴ形状タンクを搭載することで、新パナマ運河の通行が可能な船幅におさめたうえで、 LNG積載量を効果的に増大させたものです。
推進機関は、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸方式STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用。 三菱重工独自の高効率再熱舶用蒸気タービン機関UST(MHI Ultra Steam Turbine Plant)と、ガスと油の両方を燃料にできる2元燃料ディーゼルエンジン発電設備および電気推進機関を搭載します。エンジンの排熱をUSTで有効利用することでプラント効率が大幅に改善され、低速域から高速域まで高効率運航が可能となります。

サヤリンゴSTaGEは、信頼性の高い球形タンクを搭載するMOSS(モス)方式の進化版として高い評価を得ている「さやえんどう」の次世代タイプです。 リンゴ形状タンクの採用により船幅を変えずにLNG搭載量の増加を実現するとともに、ハイブリッド推進システムを採用することでさやえんどう船型からさらに燃費効率を改善しました。
推進機関には、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸方式STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用。 エンジンの排熱を蒸気タービンで有効利用することでプラント効率が大幅に改善され、低速域から高速域まで高効率運航が可能となります。

当社は、三菱重工グループおよび今治造船株式会社との連携を緊密にして、輸送能力と燃費性能・環境性能に優れた次世代LNG運搬船に対する需要を幅広く掘り起こし、 激化する市場競争での優位確保に力を注ぎ、国内外のLNG輸送業界に貢献していきます。

(注)自立球形タンクを円筒形の支持構造(スカート)で船体に固定する方式です。

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