三菱造船 次世代LNG運搬船「濃州丸」の命名式を実施
「サヤリンゴSTaGE」の四番船、株式会社JERA向け

2019年01月11日

三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:大倉 浩治、本社:横浜市西区)は11日、株式会社JERA(社長:垣見 祐二氏、本社:東京都中央区)および 株式会社商船三井(社長:池田 潤一郎氏、本社:東京都港区)の共同出資会社であるTRANS PACIFIC SHIPPING 5 LTD.向けに建造中である次世代LNG運搬船の命名式を行いました。 本船は、当社MI LNGカンパニーが受注したLNG船であり、船体構造の効率化やハイブリッド推進システムの採用などにより、LNG搭載量や燃費性能を大幅に向上させた 最新船型「サヤリンゴSTaGE」の四番船で「濃州丸(のうしゅうまる)」と命名されました。
2019年2月に予定する完成・引渡しを経て、米国テキサス州でJERAが参画する米国フリーポート(Freeport)LNGプロジェクトからのLNG輸送などに従事することとなります。

三菱重工業の長崎造船所香焼工場で行われた式典には、船主の代表をはじめ関係者が多数出席。
中部電力株式会社の勝野 哲代表取締役社長による命名、ご令室による支綱切断が行われました。

本船は、長さ297.5m、幅48.94m、深さ27.0m、喫水11.5m、載荷重量トン数約8万300トン、タンク総容積18万m3で、一昨年10月9日に進水。 建造は三菱重工グループの三菱重工海洋鉄構株式会社(社長:椎葉 邦男、本社:長崎市)が担当しました。 船名の濃州については、中部電力の供給エリアの一つである岐阜県南部域の旧名称「美濃国」に由来したものです。

JERAは、東京電力グループの東京電力フュエル&パワー株式会社と中部電力の折半出資で2015年に設立。 国内火力発電所の新設・更新、海外におけるエネルギー基盤関連事業、および発電燃料関連事業などを手掛けています。

サヤリンゴSTaGEは、信頼性の高い球形タンクを搭載するMOSS(モス)方式の進化版として高い評価を得ている「さやえんどう」の次世代タイプです。 リンゴ形状タンクの採用により船幅を変えずにLNG搭載量の増加を実現するとともに、ハイブリッド推進システムを採用することでさやえんどう船型からさらに燃費効率を改善しました。
推進機関には、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸方式STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用。 エンジンの排熱を蒸気タービンで有効利用することでプラント効率が大幅に改善され、低速域から高速域まで高効率運航が可能となります。

当社は、三菱重工グループおよび今治造船株式会社との連携を緊密にして、輸送能力と燃費性能・環境性能に優れた次世代LNG運搬船に対する需要を幅広く掘り起こし、 激化する市場競争での優位確保に力を注ぎ、国内外のLNG輸送業界に貢献していきます。

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